
メルマガ(メールマガジン)は、登録した読者に対して定期的に情報を配信する手法です。古くからある方法ですが、現在も多くの企業が継続している理由は、読者の受信箱に直接届く数少ない手段だからです。
この記事では、メルマガの定義と種類から、成果を左右する要素、実際の始め方までを一通り解説します。各項目の詳細は個別に扱うため、ここでは全体像の把握を目的とします。
結論として、メルマガの設計で最初に決めるべきは「何を送るか」ではなく、読者に何をしてほしいかです。
配信を続けること自体が目的になると、内容は「送れるもの」から選ばれるようになります。その結果、読者にとって必要性の低い情報が並び、開封されなくなります。
読者に取ってほしい行動を先に決めれば、内容はそこから逆算できます。以下、メルマガの構成要素を順に見ていきます。
メルマガとは、あらかじめ登録した読者に対し、電子メールで定期的に情報を配信する手法です。
| メルマガ | SNS | Webサイト | |
|---|---|---|---|
| 届け方 | こちらから送る | アルゴリズム次第 | 読者が訪れる |
| 読者との関係 | 登録済み(接点あり) | 不特定多数を含む | 大半が初回訪問 |
| 資産の所有 | 自社でリストを保有 | プラットフォーム依存 | 自社で保有 |
メルマガの特徴は、配信先リストを自社で保有している点にあります。SNSはプラットフォームの仕様変更で表示が変わりますが、メールアドレスは自社の資産として残ります。
目的は1つに絞ることをおすすめします。複数の目的を1つのリストで追うと、どの読者にも中途半端な内容になります。
配信のきっかけと内容によって、いくつかの型に分かれます。
| 種類 | 配信のきっかけ | 主な用途 |
|---|---|---|
| 定期配信型 | 送信側が決めた日時 | 関係の維持、情報提供 |
| 告知型 | イベントや施策の実施時 | セミナー案内、キャンペーン |
| ステップメール | 読者の行動(自動) | 検討段階を進める |
| トランザクションメール | 取引の発生(自動) | 申込確認、発送通知など |
このうちトランザクションメールは、広告・宣伝ではなく取引に伴う通知にあたります。他の3つとは性質が異なり、法令上の扱いも変わる場合があります。
国内の配信システム「ブラストメール」が2026年1月から6月に集計した結果では、全業種の平均開封率は27.2%でした。業種別では製造・メーカー28.3%、IT・ソフトウェア25.7%、コンサルティング・士業24.4%などとなっています。
出典:ブラストメール「業種別メール開封率調査」(集計期間 2026年1月1日〜6月30日、2026年9月5日参照)
https://blastmail.jp/blog/report/email-or-report
※算出式は「開封数 ÷ 配信成功数 × 100」。対象となった総配信通数は公開されていません。
なお開封率は計測方法に構造的な制約があり、この数値をそのまま自社の目標に置くことは推奨しません。詳しくは後述します。
メルマガには2つの形式があります。
| HTML形式 | テキスト形式 | |
|---|---|---|
| レイアウト・画像 | 使える | 使えない |
| 開封の計測 | 可能 | 不可 |
| クリックの計測 | 可能 | 可能(形式による制約あり) |
| 表示の安定性 | 環境により差が出る | 安定 |
計測を行いたい場合はHTML形式が必要です。特に開封の計測は、本文に画像を埋め込む仕組みで行うため、テキスト形式では実施できません。
一方、HTML形式には表示が環境によって変わるという制約があります。なお、両形式を1通にまとめて送り、受信側の環境に応じて表示を切り替えるマルチパート配信という方式も存在します。
形式ごとの成果の違いと使い分けについては、別途詳しく解説する予定です。
HTML形式を選んだ場合、デザインは見た目の問題にとどまりません。
読者がクリックするかどうかは、CTAがどこに置かれ、そこまでの流れがどう組まれているかに影響されます。同じ本文でも、レイアウトによって読了率とクリック率は変わります。
また、HTMLメールにはWebサイトとは異なる制約があります。使えるCSSがメールソフトごとに違うため、Webページと同じ作り方では環境によって表示が変わります。
送信側の環境で正常に見えていても、読者の環境で崩れていることがあります。この場合、本文をいくら改善しても成果は変わりません。
メルマガのデザイン設計については、別途詳しく解説する予定です。
配信結果を確認する際、主に見るのは開封率とクリック率です。ただし、両者は計測の精度が異なります。
開封の計測は、本文に埋め込まれた画像が読み込まれた時点を「開封」として記録する仕組みです。このため次の問題があります。
後者はApple Mail Privacy Protectionなどによるもので、開封率が実態より高く出る要因です。
クリックは読者の明確な意思による行動であり、機械的に発生することがほとんどありません。成果の判断にはクリック率を使い、開封率は補助的に見るのが現在の実務です。
各指標の詳しい読み方と改善方法については、別途詳しく解説する予定です。
定期配信とは別に、読者の行動をきっかけに自動配信する方法があります。
資料請求の直後、問い合わせの後など、読者の状態が特定できている時点で届けられるため、その状態に合った内容を送れます。一度作れば繰り返し使われる点も、定期配信との違いです。
海外の調査では、自動配信と通常配信で開封率にほとんど差がない一方、クリック率には大きな差が出ることが報告されています。つまり効果は「開封されやすさ」ではなく「開封後の行動」に表れます。
ステップメールの設計方法については、別途詳しく解説する予定です。
メルマガを始める際の手順は、大きく6段階です。
特に2番目のリスト設計は、開始前に確認が必要です。日本国内では広告・宣伝を目的とするメールが特定電子メール法の対象となり、原則としてあらかじめ同意を得た相手にのみ送信できます。後から遡って同意を取り直すことは困難です。
各段階の詳しい進め方と、法令上の要件については、別途詳しく解説する予定です。
あらかじめ登録した読者に対し、電子メールで定期的に情報を配信する手法です。SNSと異なりプラットフォームのアルゴリズムに左右されず、配信先リストを自社の資産として保有できる点が特徴です。BtoBでは、検討期間が長い商材における関係の維持や、検討段階を進めるための情報提供に使われます。
国内では27.2%という調査結果があります。ブラストメールが2026年1月から6月に同システムから配信されたメールを集計したもので、業種別では製造・メーカー28.3%、IT・ソフトウェア25.7%などとなっています。ただし開封率は計測方法に構造的な制約があり、配信システムによって算出条件も異なるため、そのまま目標値に置くことは推奨されません。
計測を行いたい場合はHTML形式が必要です。開封の計測は本文に画像を埋め込む仕組みで行うため、テキスト形式では実施できません。一方でHTML形式は受信環境によって表示が変わる制約があります。両方を1通に含めて送るマルチパート配信という方法もあります。
広告・宣伝を目的とするメールは特定電子メール法の対象となり、原則としてあらかじめ同意を得た相手にのみ送信できます。ただし自らアドレスを通知した者や取引関係にある者などの例外があります。またメールには送信者の氏名または名称と、受信拒否の通知を受けるための連絡先を表示する義務があります。リストの集め方は開始前に確認してください。
配信のきっかけが異なります。メルマガは送信側が決めた日時に一斉配信するのに対し、ステップメールは読者の行動をきっかけに自動配信されます。ステップメールは読者の状態が特定できるため、その状態に合った内容を送れる点が利点です。また一度作れば繰り返し使われます。
メルマガを始める、または見直す際の要点は次のとおりです。
このうち制作と表示確認は専門的な知識が必要な領域です。社内にリソースがない場合、外部に依頼する選択肢もあります。
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