
メルマガを配信する際、HTML形式とテキスト形式のどちらで送るかを選ぶ必要があります。多くの配信ツールは両方に対応しており、選択は送信側に委ねられています。
この記事では、HTMLメルマガの定義と仕組みを整理したうえで、テキストメルマガとの違いを項目別に比較し、どちらを選ぶべきかの判断基準を示します。
結論として、HTML形式とテキスト形式の選択は、次の2点で決まります。
「デザインができるからHTML」という理由だけで選ぶと、表示確認の体制がないまま運用することになり、崩れた状態で配信を続けることになります。以下、判断に必要な情報を整理します。
HTMLメルマガとは、HTMLで記述されたメールで配信するメールマガジンです。Webページと同じくHTMLとCSSで構成されるため、レイアウト、画像、色、リンクボタンを扱えます。
同じHTMLを使いますが、Webページとは制約が大きく異なります。
Webブラウザは仕様がおおむね統一されていますが、メールクライアントはHTMLとCSSの解釈が製品ごとに異なります。Webページ向けの実装をそのまま持ち込むと、環境によって表示が変わります。
メールクライアント別の対応状況をまとめたCan I Emailによれば、Webページで一般的なdisplay:flexの対応状況は約78.05%(一部対応を含めると82.93%)です(2026年9月5日参照)。このため、HTMLメールでは今もtableを使ったレイアウトが基本になっています。
出典:Can I Email「display:flex」
https://www.caniemail.com/features/css-display-flex/
HTMLメルマガでは、本文に1×1ピクセルの透明な画像を埋め込むことができます。読者がメールを開いてこの画像がサーバーから読み込まれた時点を「開封」として記録します。
テキスト形式には画像を埋め込めないため、この方式による開封の計測ができません。これがHTML形式を選ぶ実務上の理由の1つです。
ただし、この計測方法には精度の限界があります。画像の表示をブロックしている読者は記録されず、逆に読者が閲覧していなくても自動的に画像が読み込まれる環境もあります。開封率の読み方については、別途詳しく解説する予定です。
| 項目 | HTMLメルマガ | テキストメルマガ |
|---|---|---|
| 表現力 | レイアウト、画像、色、ボタンを使える | 文字と改行のみ |
| 開封の計測 | 可能 | 不可 |
| クリックの計測 | 可能 | 可能(形式による制約あり) |
| 表示の安定性 | 環境によって変わる | ほぼ一定 |
| 制作の手間 | コーディングと表示確認が必要 | 文章を書くだけ |
| 修正のしやすさ | 構造を壊さない範囲で | 自由に修正できる |
| データ容量 | 大きい(画像を含む場合) | 小さい |
HTML形式の表現力が効くのは、読者に複数の選択肢を提示する場合と、視覚的な情報が判断に必要な場合です。
複数のトピックを並べて関心のあるものを選んでもらう、商品やサービスの見た目を伝える、といった用途ではHTML形式が適します。
逆に、1つの用件を伝えるだけであれば、テキスト形式でも情報は届きます。
テキストメルマガの利点は、どの環境でもほぼ同じように表示されることです。崩れる要素がないため、送信後に表示の問題が起きません。
一方HTMLメルマガは、送信側の環境で正常に見えていても、読者の環境で崩れている可能性があります。この差を埋めるのが表示確認の作業です。
次の順序で判断すると、選択が定まります。
開封率を見たい場合、HTML形式が必要です。テキスト形式では計測できません。
ただし、開封率を必ず見なければならないわけではありません。クリック率だけで運用の判断ができるなら、この条件は必須ではなくなります。
商品の画像、図解、複数トピックの並列といった要素が必要ならHTML形式です。文章だけで伝わる内容であれば、テキスト形式でも成立します。
ここが実務上の分かれ目です。HTML形式を選ぶ場合、読者の受信環境で崩れていないかを確認する必要があります。
自社のパソコン1台で確認するだけでは不十分です。メールクライアントによって解釈が異なるため、確認していない環境で崩れている可能性が残ります。
確認の体制がないままHTML形式を採用すると、レイアウトが崩れた状態のまま配信を続けることになり、テキスト形式で送るより読みにくい結果になることもあります。
| 状況 | 適した形式 |
|---|---|
| 開封率を含めて計測したい | HTML形式 |
| 画像や図で伝える必要がある | HTML形式 |
| 複数のトピックを並べたい | HTML形式 |
| 1対1に近い連絡として送りたい | テキスト形式 |
| 社内向けなど受信環境が限定されている | どちらでも可 |
| 表示確認の体制がない | テキスト形式、または制作を外部へ |
HTML形式とテキスト形式は、択一とは限りません。1通のメールに両方を含めて送るマルチパート配信という方式があります。
1つのメールの中に、HTML版とテキスト版の両方を格納して送信します。受信側のメールクライアントが、自身の設定や対応状況に応じて、どちらを表示するかを選びます。
マルチパート配信では、テキスト版も用意する必要があります。HTMLから自動生成される場合もありますが、その場合はレイアウトが失われた読みにくい文章になることがあります。
テキスト版を軽視すると、そちらを受け取った読者にとっては質の低いメールになります。両方を用意する前提で運用してください。
なお、多くの配信ツールはマルチパート配信に対応しています。設定を確認してみてください。
この記事では用語と使い分けを扱いました。関連する内容は別途解説しています。
HTMLで記述されたメールで配信するメールマガジンです。Webページと同じくHTMLとCSSで構成されるため、レイアウト、画像、色、リンクボタンを扱えます。ただしメールクライアントはHTMLとCSSの解釈が製品ごとに異なるため、Webページ向けの実装をそのまま持ち込むと環境によって表示が変わります。
開封率を計測したい場合や、画像・図解・複数トピックの並列が必要な場合はHTML形式です。文章だけで伝わる内容で、1対1に近い連絡として送りたい場合はテキスト形式が適します。ただしHTML形式を選ぶ場合は、読者の受信環境で崩れていないかを確認する体制が前提になります。
開封の計測は、本文に埋め込んだ1×1ピクセルの透明な画像が読み込まれた時点を記録する仕組みで行われるためです。テキスト形式には画像を埋め込めないため、この方式による計測ができません。なおクリックの計測は、テキスト形式でも形式による制約はあるものの可能です。
メールクライアントごとにHTMLとCSSの解釈が異なるためです。Webブラウザは仕様がおおむね統一されていますが、メールクライアントは統一されていません。たとえばCan I Emailによれば、Webページで一般的なdisplay:flexの対応状況は約78.05%(一部対応を含めると82.93%)です。このためHTMLメールでは今もtableを使ったレイアウトが基本になっています。
1通のメールにHTML版とテキスト版の両方を格納して送る方式です。受信側のメールクライアントが、自身の設定や対応状況に応じてどちらを表示するかを選びます。HTML形式を表示しない設定の読者にも内容が届く利点があります。ただしテキスト版も用意する必要があり、自動生成に任せると読みにくい文章になることがあります。
HTMLメルマガとテキストメルマガの選択における要点は次のとおりです。
HTML形式の利点は、読者の環境で意図どおりに表示されて初めて成立します。確認の体制がないまま採用すると、利点が失われた状態で配信を続けることになります。
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