(公開日2023年08月16日)
企業の営業・マーケティング担当者、個人事業主の方の中には、HTMLメールを使用する際に、自分でコーディングしてHTMLメールを作成しようとしている方もいらっしゃるはずです。そういった方のために記事を書いています。
この記事では、HTMLメールの最初に使用すべきタグ、headに使用するタグ、本文に使用するタグ、リンクをつけるタグについて解説します。これを読めば、HTMLメール作成に使えるタグの種類が分かるでしょう。そして自分でHTMLメールを作成する準備を整えられます。
HTMLメールの最初に使用すべきタグを示します。
 ➀DOCTYPE
 ②lang属性で言語を指定
まずHTML文章の型をブラウザ、メールクライアントに対して宣言します。
「XHTML 1.0 Transitional」を宣言する場合は以下のように記述してください。
 <!DOCTYPE html PUBLIC “-//W3C//DTD XHTML 1.0 Transitional//EN”
                         “http://www.w3.org/TR/xhtml1/DTD/xhtml1-transitional.dtd”
「HTML 4.01 Transitional」を宣言する場合は以下のように記述してください。
<!DOCTYPE HTML PUBLIC “-//W3C//DTD HTML 4.01 Transitional//EN”
“http://www.w3.org/TR/html4/loose.dtd”>
HTMLぺージが日本語で書かれていることを記述します。
<html lang=”ja”>
headの中に使用すべきタグを示します。
 ➀文字コード・文字エンコーディングの設定
 ②viewportをの設定
 ③メディアクエリーの設定
 ④CSSプロパティの設定
METAタグを用いて、どのような文字コードを使い、どのような形式で表示するかを指定します。
<meta content=”text/html; charset=utf-8″ http-equiv=”Content-Type”/>
文字化けの防止に有益です。
最近では、ほとんどのメールクライアントがUTF-8に対応しています。
参考記事:HTMLメールが文字化けしてしまうときの原因と対処法は?
viewportとは、画面の表示領域、つまりパソコンやスマートフォンで見えている部分のことです。パソコンの表示画面は広く、スマートフォンは狭いのが特徴です。スマートフォンでviewportが設定されていないと、HTMLメールが、スマートフォンの画面からはみ出してしまいます。
head内にmetaタグとして記述してください。
<meta name=”viewport” content=”プロパティ=値”, “プロパティ=値”, “プロパティ=値”
>
実例を示します。
<meta name=”viewport” content=”width=device-width, initial-scale=1.0, 
user-scalable=no”/>
設定できるプロパティは以下のとおりです。
 ・width:表示領域の横幅、200~10,000pixel
 ・height:表示領域の高さ、200~10,000pixel
 ・minimum-scale:最小の縮小倍率、0~10
 ・maximum-scale:最大の拡大倍率、0~10
 ・initial-scale:ぺージ初期読み込み時の拡大率、minimum-scale~maximum-scaleの範囲
 ・user-scalable:ユーザーに拡大縮小を許可するかどうか
参考記事:スマホに最適化したHTMLメールとは?作り方のコツと注意点を解説
メディアクエリーとは、メディアタイプとメディア特性を組み合わせて作るCSSの仕様のことです。メディアタイプはscreen(パソコンやスマートフォンなど画面を持つデバイス)、メディア特性はwidth(ビューポートの幅)を指定します。
/* 画面サイズが480px以下の場合 */
<style>
     @media only screen and (max-width:480px) {
                   .img {
                               width:100%;
                   }
      }
</style>
HTMLメールの横幅は600px位が一般的です。2022年3月現在に販売されているスマートフォンのCSSピクセルの横幅は320〜480px。これに合わせて、メディア特性をmax-width 480pxに設定しました。480pxを境界としてスマートフォンとパソコンで表示を切り替えます。
スマートフォン表示用のCSSプロパティを設定します。
 設定1:横並びレイアウトの調節
 設定2:画像の拡大・縮小
 設定3:フォントサイズ
 設定4:スマートフォンでコンテンツを非表示にする
PC用HTMLメールで複数カラムの横並びレイアウトにしている場合、スマートフォンでは1カラムで表示させるように調節します。テーブルレイアウトのTDタグの横幅を100%に指定してください。
@media only screen and (max-width:480px) {
.responsive-td {z
            width:100% !important;
            display: block !important;
            box-sizing: border-box !important;
      }
   }
該当箇所が多いため、headに埋め込み型CSSで記述します。メールクライアントのCSSに上書きされないように!important指定してください。
スマートフォンでは画像の横幅を100%に指定するのが一般的です。
@media only screen and (max-width:480px) {
.responsive-img {
   width:100% !important;
   height:auto !important
  }
}
パソコン用のフォントサイズが小さめに設定されているとき、スマートフォンではフォントサイズを少し大きめに変えます。
@media only screen and (max-width:480px) {
html {
   font-size:14px !important;
   line-height:1.6 !important;
  }
}
一部のエリアをスマートフォンでは表示しないという場合、displayプロパティを使って、コンテンツを消します。
[HTML]
<table class=”hide”>
   <tr>
       <td>
          <img src=”img.jpg”>
       </td>
   </tr>
</table>
[CSS]
@media only screen and (max-width:480px) {
.hide {
   display:none  !important;
   }
}
ただしdisplayプロパティが効かないメールクライアントがあることに注意が必要です。
参考記事:HTMLメールをレスポンシブ対応で表示させたい時の対処法教えます
HTMLの本文には以下を記述します。
 ・基本的なタグ
 ・スタイルを設定する時に使う属性
 ・HTMLメールの本文にリンクをつけるタグ
まず覚えておくべきものは、TABLEタグ・TRタグ・TDタグ・Pタグ・IMGタグ・BRタグです。
表の作成に利用するタグです。
<table></table>
Table Rowの略で、表内の1行を表わします。
<tr></tr>
Table Dataの略で、<tr>で定義した行の中に表示するデータを表わします。
<td></td>
テーブルレイアウトの実例としてhtmlを示します。
<html>
<body>
    <table>
        <tr>
           <td>A</td>
           <td>D</td>
           <td>G</td>
        </tr>
        <tr>
           <td>B</td>
           <td>E</td>
           <td>H</td>
        </tr>
        <tr>
           <td>C</td>
           <td>F</td>
           <td>I</td>
        </tr>
    </table>
</body>
</html>
これをブラウザで表示すると以下のようになります。
Paragraphの略で、一つの段落を表わします
<p></p>
このタグはメールクライアントによっては表示崩れするため、用いないほうがよいでしょう。
imageの略で、画像を表示する際に用います。
<img>
Breakの略で、改行を意味します。
<br>
スタイル属性として、cellpadding・cellspacing・border・style・font-size・font-weight・colorを用います。
TABLEタグ内で利用し、セル内の余白の広さを指定します。HTMLメールでは0と指定してください。
TABLEタグ内で利用し、セル同士の間隔を指定します。HTMLメールでは0と指定してください。
TABLEタグ内で利用し、枠線の太さを指定します。HTMLメールでは0と指定してください。
スタイルについての記述を行います
フォントの大きさを指定します。
フォントの太さを指定
フォントの色を指定します。
参考記事:htmlメールのコーディングのやり方!特徴・手順・注意点を解説
リンクを組み込むときのタグを紹介します。
 ・ウェブサイトへリンク
 ・メールの送信
 ・電話の送信
 ・SMSの送信
リンクをクリックするとウェブサイトへ移動するタグです。
<a href=””https://www.bad-corp.com/”>株式会社B.A.Dホームぺージ</a>
AタグにURLを、<a></a>の間にアンカーテキストを記述します。
実際の表示例は以下のとおりです。
リンクをクリックするとメールクライアントが立ち上がるタグです。
<a href=”mailto:info@bad-corp.com”>メールはこちら</a>
Aタグに「mail to:」を記述しています。
実際の表示例は以下のとおりです。(リンクはしておりません)
メールはこちら
リンクをクリックすると電話を発信するタグです。
<a href=”tel:00-0000-0000″>電話はこちら</a>
Aタグに「tel:」を記述しています。
実際の表示例は以下のとおりです。(リンクはしておりません)
電話はこちら
リンクをクリックするとSMSへ送信するタグです。
<a href=”sms:00-0000-0000″>SMSはこちら</a>
Aタグに「sms:」を記述しています。
実際の表示例は以下のとおりです。(リンクはしておりません)
SMSはこちら
HTMLメールの最初に使用すべきタグ、headに使用するタグ、本文に使用するタグ、リンクをつけるタグについて解説しました。これを読んでHTMLメール作成に使えるタグの種類が分ったと思います。
HTMLメールの作成に用いるタグは独特で難しいのが特徴です。特にテーブルレイアウトに関連したタグはなじみが薄く、使いにくいと思います。不慣れな方が自分で作成するには無理があるでしょう。むしろHTMLメール作成の専門家に依頼したほうがよいかもしれません。
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